オランダ至福の旅

とっておきのオランダ的週末旅行をご紹介。
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 国立公園デ・ホーヘ・フェルウェ (De Hoge Veluwe)

2003年5月末。3泊4日の日程でオランダの真ん中どころ、「デ・ホーヘ・フェルウェ」にいってきた。 ここは今のところ(2004年5月時点で)オランダ国内では私の一番好きなところ。 ゴッホのコレクションで有名なクローラーミュラー美術館、ワンダレンルート、 サイクリングなど、3日間過ごしたオランダの田舎「デ・ホーヘ・フェルウェ」の日記。

Day 1

NS駅エデに到着。ホームに降りるとかなりの乗客が大きなバックを持って降りてきた。中にはいったいここで 何をするの?何泊するの?と質問したくなるような大きなバッグを背負っている人たちもいた。このへんには たくさんのキャンプ場があるため、キャンプをしよう、ということなのだろうか。 これらの人々を見てますますバカンス気分が盛り上がってくる。エデからアペルドールン行きの バスに乗っていざOtterloに向けて出発。

大きなお屋敷街を抜けて、エデの中心街を抜けるといきなり森の中に。おお!!とても美しい緑の森が 広がっているので「森に行きたい!」と願っていた私はとたんにうれしくなった。昔読んだヨーロッパの 童話や物語には必ずといっていいほど森がでてきたが、それはこんな感じだったのだろうか? 約30分でOtterloに到着。バスを降りると、たくさんの人、人、人!!この好天気にたくさんの人が やってきたと見える。また、驚くほどの自転車群!!自転車が道路を占拠している、といった感じだ。

バスを降りて、これら自転車の大群を避けながら(?)ステイ先のCarnegie's Cottageを探す。 この街はどうやらとても小さな町のようで、少し歩くとすぐに街のはずれになってしまう。 矢印はあるのにホテルがない!とふらふら歩いていくと、まさに街のはずれの最後の一軒がこのホテルであった。 階段を上っていくとテラスになっていて、たくさんの人々がリラックスして昼食やコーヒータイムを 楽しんでいる。レストランの奥がレセプションになっていて、簡単なチェックインを済ませて鍵を貰って 部屋にいく。12部屋しかないこのこじんまりとしたホテルはまさにコテージという言葉が似合う。 テラスはにぎやかだったのに、二階に上がるとシーンとした静けさが漂っている。部屋は小さいけれど 窓からは緑の木々が見え、鳥のさえずりが心地よく響いている。あら、テレビがない、とすぐに 気づいたが、すぐにここにはテレビは似合わない!と思った(他の部屋にはテレビつきの部屋もある)。 これから3日間ここで過ごすんだ、と思うとふつふつとうれしさがこみ上げてきた。


今回宿泊したホテル。


荷物を置いて小さなリュックに必要なものを詰めて、すぐに外に飛び出した。どうもわれわれは 部屋でゆっくりくつろいだり、カフェでのんびりするより外を歩き回るのが好きらしい。おかげで これから3日間、忙しい日程を過ごすことになる。ホテルの目の前からワンダレン(ぶらぶら歩き) ルートが始まっていた。案内を見ると、全7キロの行程。7キロならぶらぶら歩いても2時間か… それなら、と歩き始める。Otterlosseと呼ばれるこの地域は国立公園のHoge Veluwe(ホーヘ・フェルウェ) のすぐ外側に位置するのだが、公園内と同じような風景が広がっている。最初はずっとDUINENと 呼ばれる砂道でとっても歩きづらい。砂道、とは本当の砂でまるで海の浜辺のような砂なのだ。 なぜこんなところに砂?と疑問に思うところだが、約2万年前から1万年前の地形の変化と気温の変化が影響している そうな。実は今、この砂地の面積がどんどん減り、緑化しているため、砂地を守るための対策、 たとえば木々を切り落とす、などの行動が取られているそうだ。世の中は砂漠化が進んでいるのに ここは緑化が進んでいるなんて!!聞いたこともなかったわ。


砂地ルートはこんな感じ。


今日はとっても良いお天気なせいか、砂地を歩くととても暑い!少しの砂でも効果は砂漠と同じなのか? ぶらぶらどころかグテグテ歩きになってしまった。この7キロは結構きつい?と思い始める。が、しかし、 幸いなことにすぐに砂地は終わり、緑の森の中に入った。ホッ。砂地を歩くのとは違い、快適な森の道。 自然と足取りもグテグテからぶらぶらに戻ってくる。しかし、街ではたくさんの人々を見かけたのに、 ここでは人っ子一人見かけることがない。皆、どこ行っちゃったんだろう…。目印がところどころに 立っていることだけが頼り、といったら大げさだろうか。しかし、このワンダレン。無謀なことに 水をほんの少ししか持っておらず、その点もやたら不安だったりして。ワンダレンやハイキングでは 水は必需品ですよ!!

二度目の砂地を抜けると道が大きく左に曲がり、なんとなく折り返し地点かな?という予感が。 その後は美しい大きな木々に囲まれた道になり、さっきの不安はどこへやら。楽しい楽しい森散策 になった。このへんから人もちらほら出現し、さらに気分は爽快に!最後で少し迷ってしまったが、 2時間弱のワンダレンは無事終了。ホテルに戻ると5時前で、おなかもすいてくる。 部屋でのんびり紅茶を飲みながら、鳥のさえずりを楽しんだ。


快適な森の道。


待ちに待った夕食は今日はこのホテルで取る。前菜は美味しかったが、メインはソースがイマイチ。 それ以外の点がとても良かっただけにちょっと残念だった(その代わり朝食はとびっきり美味しい、 ということを強調しておきましょう!!)。5月末は10時過ぎまで明るいオランダ。 まだまだ日は高く、我々は落ち着くことなく町を散策。ぶらぶら家を見て歩いた。明日からの 夕食場所も探さなくてはいけないしね。家はどれも大きな一軒家で、とっても素敵。 あれがいいだのこれがいいだの、好き勝手なことをいって歩いた。特にこのホテル沿いには 高台に大きな大きな家が列をなして建っていて、すばらしい!の一言。住みたい家ベストを 勝手に決めて大満足でホテルに戻ってきた。

帰ってくると最後までの騒々しさはどこへやら…。テラスで宿泊客たちが本を読んだりゲームを してくつろいでいる…。なんて素敵な雰囲気!!とすっかりその雰囲気が気に入った私たちも さっそくテーブルについて、カフェを楽しんだ。このホテルは静かな森のホテル、という批評が あったがまさにそのとおり。目の前に広がる美しい風景を暗くなるまでボーっと眺めていた。

Day 2

今日のメインはクレラーミュラー美術館!オランダの多くの場所をすでに見て回っているだんなも ここはまだ行ったことがないと言う。何故だかそのことがうれしい。だって二人とも同じ初めての体験 なんだもの。朝、とびっきり美味しい朝食をゆっくり取り、町へ出た。ちょうど良いバスがあったので バスに乗ってホーヘ・フェルウェ(Hoge Veluwe)公園に入る。後で分かったのことなのだが、公園は 自転車を無料で貸し出しており、私たちのホテルから公園入り口はすぐなのでバスに乗る必要はなかった。 クレラーミュラーで降り損ね、次のビジターセンターで下車。なーんでクレラーミュラーで降りなかった のさ、とだんなに文句を言いつつ、美術館まで歩こうとすると、なんと裏入場口があってそこから 入場できた。ごめんね。だんな。

クレラーミュラー美術館とはゴッホ・コレクションで有名な美術館なのだが、野外彫刻・野外アート類 も実は有名だったりする。これらの野外アートを展示するため、大きな庭園がこのビジターセンター 近くまで広がっているのだ!裏口から入ろうという人はほとんどいなかったため、開館直後に外を 歩いている人はまったくおらず、すべての野外アートを独り占め(二人占め?)!美しい石楠花の道、 芝生の中に建つおかしな彫刻。やたら大きいアート…。雰囲気は箱根彫刻の森美術館、美ヶ原高原 美術館、といったところだ。これら美術館はここからヒントを得たに違いない!と勝手に思った。

二人で遊びながら見ていたらこの庭園野外アートの半分を見ただけでかなりの時間が経過していた。 げげげ。ようやく美術館施設に到着。中に入ると正面入り口からわんさと人々が入場しているので とても驚いた。さすが世界に誇る名画を持つ美術館である。特に今年はゴッホ生誕150周年で全ての 絵画を展示している、ということもあるのかもしれない。


シャクナゲの道


さて。我々はさっそくゴッホの展示室に向かった。まず入ると、ヘレナ・クレラー・ミュラー= この美術館発足の元となるゴッホ絵画コレクターの写真、そして彼女についてのコメントが 記載されていた。本当にここにつくまでコレクターが女性だったこと、など何も知らなかったのだが、 彼女のゴッホに対する情熱がこの少しのコメントの中に溢れていて、いきなりすごい衝撃を受けた。

「あなたのことを理解するのは難しい…。でも毎日毎日少しずつあなたのことを学ぶことによって なんとなく私の中にあなたが入り込んできた気がします…。」この恋にも似たゴッホの情熱から 当時とても裕福であった彼女はゴッホの絵を少しずつ買い取り始める。彼女自ら独自の研究を重ね、自ら絵を 探しての購入。中には彼女はゴッホだと信じて購入したものが鑑定から実際はゴッホではなかった、 というものまで展示されている。彼女はこれら絵画のために特別なフレームも注文してデンハーグに ある家のあちらこちらに飾り、彼女の家を訪れる多数の外国人実業家たちにこの絵を見せて回った。 ゴッホの名を世界に広げるために…!今回は150周年記念で、この彼女の注文したモダンなフレームで 展示されていました。

面白いのは彼女が当時いくらでこの絵画を購入したのか、という値段が記載されていること。私たちにも 買えそうなものから当時から高かったものまで…絵と比べながら歩くのも楽しかった。さて。 彼女は1930年代の大恐慌ですっかり大金を失ってしまいます。ゴッホの絵画やそのほかのコレクションを 売れば、再び大金を手に出来たのかもしれないのに、彼女はそうはしませんでした。絵が世界に散在して しまうのを恐れていたのです。そして、全ての絵をオランダ政府に譲る決心をしました。ある一点の 条件をつけて…。その条件とはこれらの絵画を展示する大きな美術館を建てて欲しい、、、ということ。 建物のデザインまで残した彼女は、しかし、今だに実現されていません。

なるほど。今の「仮の」展示建物は狭くソファーなどもほとんど置かれておらず、ゆっくりゴッホの絵を 鑑賞する、という雰囲気ではありません。彼女の夢は多くの人にじっくりゆっくり座ってゴッホの絵を 見て楽しんでもらいたい、ということだったに違いないのに…。これほどコレクターのアーティストに 対する情熱・思い・夢が詰まったドラマティックな美術館は他に存在するだろうか?絵を見ながら 彼女のそんな情熱を感じたのか?目頭が熱くなってくる自分がいた。


屋外展示アート


さて。この美術館にはゴッホの他、モダン・印象派などの絵も展示されているのでお見逃しなく。 日本から来る観光客にもアムステルダムからゴッホ美術館とこのクレラーミュラーのセットの ツアーなどがあるようなので(?)、興味のある人は是非チェックしたいところ。

ゆっくり見て簡単な昼食を終えるともう3時。ひょえーーー。もうここで5時間も過ごしているよ。 再び外に出ると多くの観光客が芝生に座ったり寝転んだりしていて、リラックスしていた。我々も ゆっくりと残りの野外アートを見て周り、4時に再び裏門に到着。ビジターセンターを訪れてクレラーミュラー 夫妻が夏に過ごしたというサマーハウスの見学のことを聞いて、ビジターセンターの展示室を見学。 だんなは疲れているようだったが、歩いて30分でホテルに戻れるから…と町に向かって ワンダレンルートを歩き始める。美術館の前を通過して、途中、野生動物を保護する保護区を通ったので 観察口を覗き、動物の出現を待ったが結局現れず…。そろそろ出口かなあーと思ったところ、何故か 再び美術館に到着!!げげげ。サイアク!!!どこかで道を間違えたらしい。どーして?!?!

このワンダレンルートはくるくる回っていてややこしいから…としかたなく車道を歩く。すでに 夕方6時を回っていてほとんど車が通らなかったのが幸い…。もう1回美術館に出会っちゃったら やだねえ〜…と二人でとぼとぼ歩いた。だんなは少し不機嫌。私も。。。しばらくして入り口に到着。 ここで我々は多数の自転車を見かけ、ここで自転車が借りられるんだ!ということを発見。 そうと知っていれば最初から…とほほ。明日はここまで歩いて自転車を借りよう!

長い一日のあとは食事。そしてホテルに戻ってのテラスでのリラックスタイム!!今日は近くの't Witte Huisホテルで夕食を取る。ここはとっても美味しくお勧め。我々のホテルのテラスは 今日もいい雰囲気が溢れていた。だんなはオレンジジュースが美味しいことを発見!えらく 感激していた。



 エンクハウゼン (Enkhuizen)

2004年5月。2泊3日の日程で北ホランド州のアムステルダムの北、「エンクハウゼン」にいってきた。 ヨットの街でSLやら屋外博物館を楽しんだ3日間の日記。

Day 1

エンクハウゼンに何故行くことにしたか、というと行ったことがなかった ということ、そして、良さげなホテルがあったこと、が主な理由だ、 と昨日(ひとりごと=2004年5月31日)書きました。しかし、その後、ふと考えていたのですが、やっぱり良さそうな ホテルがあったこと、が一番の大きな理由かなあ、と思い直したのです。 考えてみると、日本でも「この温泉旅館に泊まりたい」というのがそこを選ぶ 主たる理由であって、私は○○温泉のこの源泉湯にぜひ入りたいのよ♪という 理由ではないような気がする。まあ、そういう場所もあるかもしれないけれど。 たとえばパリやロンドン、ミラノなどを選ぶ場合は都市がすでに決まっていて、 その都市の中からホテルを選ぶ、てのが普通よね。でも、このエンクハウゼンという 場所を選んだのは、やっぱエンクハウゼン♪というわけではなかったから、 やっぱりホテルが大きな理由なんかなー、と。

Hotel Recuerdos


なんだかゴテゴテ書きましたが、というわけで、ホテルを選んで場所を選んだ というのが正しい。さて、そのホテルはどこぞや、といいますと、 「Hotel Recuerdos」。プチホテル欄でも紹介しています。部屋は4つで、 ある邸宅のお庭に立っている、というのがなんとなく不思議でB&B、プチホテルマニア (といったら大げさか?)の私にとって、どんなところよ?とすごく興味があった のです。

旅行初日は快晴。いつもより早く起きて、張り切って地下鉄&電車に乗り込み、 いざエンクハウゼンへ。朝10時半過ぎにはエンクハウゼンに到着して、さわやかなお天気 の中、まずホテルに向かった。駅を降りると、目の前はヨットハーバー。うーん、 ステキ、ステキ〜。多くのヨットは大きな帆を持つ本格的ヨットで、個人(家族)所有。 ああ、オランダって意外とリッチなのねえ(笑)。日本でヨットが趣味、なんていうと、 ええ〜?まじ〜?(金持ち〜)って感じだものね。こちらでは、ヨットの大きさ、 レベルにかなりのバラエティがあり、5000万円くらいするすごいゴージャス船から、 50万くらいで買えるちっちゃなボートまで様々。多くの人はこれから海(というか 堤防で囲まれちゃってるから湖なんだけど)に向けて出発するらしく、船の上で準備に 追われていた。なんか見ていると、欲しい〜!船!というワケも分からん欲求に 駆られてしまうよ(笑)。

エンクハウゼンのヨットハーバー


その後、町の中心をてくてくと歩き、ホテル到着。11時だったので、早すぎ?とは とは思ったものの、ホテルオーナーは笑顔で迎えてくれた。横には大きなゴールデン レトリバーが。わ、かわいいーー!まだ早いから全部の準備はできていないけど…、 といいつつオーナーとワンちゃんが部屋を案内してくれた。大きな中庭には、 大きな大きな木があって、広いガーデンがひとつに纏っている。その片隅に立つ ホテル別棟の扉を開けると、中は「あ、なるほど、ホテルね。」と納得できる なんでも揃ったホテル部屋になっていた。なんだかB&Bとホテルのミックス? のようで面白い。中に入ったときは、ちょっと独特のお家のにおいがあるのが気に なったけれど、慣れてしまえばなんでもなくなった。部屋の窓はとても大きく、 ベッドに寝転びながら、外の緑が眺められるのもいい。フルーツの盛り合わせも 用意してくれて至れりつくせり。朝ごはんを食べる邸宅のテラスも本当にステキで だんなはすっかり気に入ったよう。帰るときには「本当にいいホテルだったねえ。」 と何度も何度も言っていたくらいなんだよ〜。

さて、エンクハウゼンというと皆さんどんなことを思い浮かべるでしょうか? オランダに来たことがない人は聞いたことがない!と思うかもしれませんし、 オランダに住んでいる人でもイマイチぴんとこないわ、と思うかもしれません。 マイナーといっちゃマイナーな街です。

しかしこの地域一体はオランダの歴史そのものを著す面白い地域でもあるのです。 その昔、17世紀、オランダは世界の中心国でした。16世紀に世界への航海 ルートが発見されて以降、オランダ船は世界中を駆け巡り、世界貿易の中心国 となるのです。その船は遠き東方の国、日本にまで到達し、当時鎖国状態の 日本と唯一貿易をした国、というのは学校の歴史で散々習いましたよね。。。 歴史の授業では「東インド会社」という名前も出てきたと思いますが、 この世界貿易で莫大な利益を得た会社がオランダの「東インド会社(通称V.O.C.)」 なのです。

さてさて、なんだか硬い歴史の授業のようになってしまいましたが、 このV.O.C.の中核として栄えた町がエンクハウゼン、そしてお隣のホールン (Hoorn)なのです。当時はこの辺りの港から世界へ向けて船が出発したのです。 そう思うと、歴史好きの私はなんだか興奮が隠せない。。。どどどーーー。 今でも両街には、V.O.C.にまつわる建物がきちんと残っていて、建物の 壁には船とV.O.C.のプレートが残されています。別にV.O.C.ファンだった 訳でもありませんが、なんだかその魅力に取り付かれすっかり写真を撮りまくって しまったそらです。。。
ステキなハーバー沿いの家々


なんなんだろー、この興奮は。考えてみると、たとえば東京の桜田門の前に立ち、 桜田門の変で井伊直弼が斬りつけられた場所、と聞いても今や特にその建物や 何かが残っているわけでもなく、現在という存在が覆いかぶさって歴史を隠して しまっている。でも、ここオランダでは当時のそのままの建物がこうやってあちこちに 残っているのだ。それってすごいと思う。改めて。この間、京都の二条城で 大政奉還が行われた場所、を見て、やっぱ興奮したけれど、それだってせいぜい 100年ちょっとの歴史なんだもんねー。

なんか話がどんどん、どんどん、、、逸れてしまいました。エンクハウゼンは 何処へ(笑)。話を元へ戻しませう。。。さて、エンクハウゼンは貿易港としても 栄えましたが、町の多くの人は船乗り、または漁師でした。今はオランダ人は そんなに魚を食べないけれど、昔は良く食べたんでしょうね。そうそう、オランダ の魚といえば生ハーリング(ニシン)。今年も昨日から(?)解禁になり、 町のあちこちで、今年始めのハーリングを楽しむ行事が続いてますよ。 またまた話が逸れてきた気配が。。。いやいや。エンクハウゼン物語ですな。 この地域はオランダの他の地域の歴史と同じく、たびたび洪水に悩まされてきました。 大洪水はそれほど多いものではなく、100年に一度程度だったようですが、 それでも多くの人々はいつかやってくる洪水を恐れ続けました。親から子へ 洪水の恐ろしさ&悲惨な出来事は言い伝えられた、といいます。1900年の初期に 洪水がやってきたとき、「今しかない!」と国は決心するのです。

そう、ついに国の一大事業、海を湖にするという取り組みを始めるのです。 オランダの地図を見るとちょうど真ん中どころは海が陸内に入り組んでいるのが 分かります。ここに蓋をする感じに堤防を築き上げることで、海を湖に変えて、 洪水から守ろう、という作戦なのです。この長さ32キロ半。それを1900年の最初に やろう!と決心するとは、さすがオランダ。忍耐強いといわれる所以です。 1932年にこの一大事業の堤防は完成し、かつてのゾイデル海は現在のアイセル湖に 生まれ変わりました。この変化とともに、エンクハウゼンを含む沿岸の町の 漁業は衰退し、現在に至るのです。

ゾイデル屋外博物館


さて、1日目はこの漁業衰退によってかつての歴史を残す博物館を作ろう、と 建てられた博物館「ゾイデル屋外博物館」に行きました。 この博物館は、かつてのゾイデル海沿岸沿いにあった建物を 移築して博物館にした、という、日本でいう明治村のような 博物館です。明治村には行ったことがないので、本当に似ているのかは?ですが。 博物館は旧市街の外側の海沿いにあり、旧市街を抜けて入場することも できるし、エンクハウゼンNS駅の隣の波止場から博物館専用の船に乗って 入場口にたどり着くこともできます。私たちは、この船による行き方を 知らなかったため、街をぷらぷらと抜けて博物館を目指しました。

とにかくとっても良いお天気だったので、途中でピクチャータイム♪と 写真ばかり取っていてなかなか進みません。あっちも撮ろう、こっちも撮ろう、 と結局旧市街をくまなく歩き回ってしまったのでした。途中見かけた ハーバー沿いの家並みがとってもステキで、ああ〜いいわねえ。自分の家が 17世紀の家なんだよ、なんて誰にでも自慢できそうな気がする。目の前が ハーバーだ、というのもいい♪どっかにTe Koop(売り出し中)はないか、 と見渡しましたが、残念ながらハーバー沿いにはなし。ここに引っ越したかったら つねに情報を張ってないとダメですな。

そんなワケで、町を歩くのも一苦労。途中のカフェで一服することに。 カフェのメニューを見ると、さすが、さすが〜に海の町(もう海じゃないんだけど)。 魚のメニューが結構充実で、私の町とは全然違うぜ!という感じね。 私は結局ツナのサンドイッチにしたんだけれど、どうやら「うなぎ」がこの町では 主流らしい。うなぎのサンドイッチ、という名前も見かけたし、うなぎのサラダ、 という名前も見かけた。うなぎの蒲焼はなかったんだけどさあ(笑)。 (うなぎは結局夜食べることになります。) 古い家は傾いているものが多く、見ていてほーんと「よく倒れないわねー」と いいたくなってしまうものばかり。旧市庁舎の隣の建物は、だいたい1メートル くらい横に傾いている、って書いてあったけど、ほーんと上を見上げると、 「傾いてる〜!!」と思わず騒ぎたくなってしまう傾き様。単に横に傾いている ものや、前に傾いているもの、複雑にU字型に傾いているもの。いろいろあるけど、 まだ建っているんだな。そして人も住んでいる、というから驚きだ!!

さてさて、そんな町のツアーも終えて、ゾイデル屋外博物館の入り口に到着。 近くにある屋内博物館と合わせて9.5ユーロは結構高いけれど、なーんと ミュージアムカード保持者はタダだったのだ。キャイン♪ 入り口で地図を貰って(買って)いざ出発。最初は大きさが全然把握できなかった のだけれど、だんだん全貌が明らかになるにつれて「ここってめちゃくちゃでかい? 一種の村?」と思うようになってくるのです。。。! しかし、最初はそうとも思わず、のんびり家の隅々まで眺めてしまったりして。。。

お勧めですよ!


最初に「各地にあった住宅を移築して」と書きましたが、多くの住宅は中身も一緒に 移築されたため、戸が開かれ、中が覗けるようになっているのです。 実際にどんな人が住んだのか、という説明文もあり(英語もあり)、こんな家に 住んでいたんだなー、と思ったりする。島やこの辺りの村の家は、結構小さく、 天井が低かったりして、ちょっと今の暮らしからは想像できないけれど、実際いまだ こういう家に住んでいる人もいるんだよね。マルケン(エンクハウゼンの下のほうの 島)などは特に貧しく、皆小さな質素な家に住んでいたけれど、それでも、 壁一面に皿を飾りつけたりして、豪華さを見せるようにして暮らしていたそうです。 たしかにそんな感じ。質素で古いんだけれど、なんか手作りを思わせるチャーミングさ がご主人を失った今でも輝き続けている、そんな感じなのです。

少しずつ歩いて見ているうちに、「ここってめっちゃでかいのかも。。。」 とようやく分かってきました。町の真ん中には教会まであり、どう見ても、 ひとつの村。ここに住むことだってできるんじゃなあい?と思えるくらい 大きかったのです。ポストオフィス、アイスクリーム屋、本屋、チーズ倉庫、 喫茶店、、、どれも昔の面影を残すものばかりで(本屋など本当に今でも OPENしているお店もある)、「あれ、次はなんだろう?」と散策するのが 楽しく、子供のようにはしゃいでしまいます。ほーんと、この博物館は オランダというものを良く示したいい博物館だと思うんだけど、なぜか日本人 らしき観光客には一人も遭わなかったなー。マイナーなのかなー。 英語をしゃべる人(イギリス人?)とドイツ人はけっこういたんだけど。 日本人の皆さん!ここもお勧めですよー。(と一応ここで叫んでおこう。)

この博物館でうれしいのは…ステキな家や庭があったら即座にシャッター チャンス!で自由に写真を撮れること、かな。普段、道を歩いていてステキな 家があっても、写真撮ったらまずいよなあ、とついつい躊躇してしまう。 でも、ここでは〜。誰にも文句も言われず撮りまくれる!という素晴らしさ があるんです♪というわけで、写真、撮りまくっちゃいました。。。 小さな運河では船に乗ることもできるし、子供は貸衣装で昔のオランダの 衣装を着ることもできるし。。。昔の竹馬に乗ったり、縄跳びをしたり、 と昔の遊びで楽しむこともできるようです。オランダ人たちはみんな、 あちこちで色々子供のようにTRYしていたなー。観光客もここでパフォーマンス をする人もみんなここが大好き。そんな感じのほのぼの博物館でした。

あちこち見て回っているうちにあっという間に閉館時間の5時近くに なってしまい、ああ、まだ全部見れてないのに〜、とあたふた。村のはずれ には大きな自然エリアもあったようなのですが、足を踏み入れることさえ不可能。 ざ、残念。。。4時間くらいいたと思うんだけど、それじゃあ足りなかった ということかー。帰りは船に乗って駅まで行ってみることに。距離は短いので あっという間についてしまったのですが、船に乗ったとたん、「ムムム〜。 明日は絶対に船に乗りたい〜!」と思い始めてしまいました。 やっぱ、船。クルージングとは言わないけれど、船に乗りたいわ〜。 駅についてから、町を再び散策したり、ベンチに座って船をぼーっと眺めて いました。今日の夕食料理はお目当てのレストランでフランス料理♪ すでにターゲットは定めていて(笑)、前日に予約を入れていたのです。

Die Drie Haringhe


今回予約までして出かけたレストランは「die drie haringhe(三尾のハーリング(ニシン))」。 この町のシンボルは魚が三尾縦に並んでいるもので、町のいたるところにそのマークが入ったプレートやレリーフが 飾られているのですが、そのシンボルから取った名前みたいね。 このレストランの建物は、その昔V.O.C.の建物だったものを改装して、 レストランにしているらしく、建物に入るのも楽しみだったし、ゴージャスな フランス料理を食べるのも楽しみ、と色々期待して出かけたのでした。

2階の窓際の席に通された私達。古い窓から外を覗くと、目の前のヨットハーバー ではたくさんの人たちがヨットでご飯を食べたり、おしゃべりしたり、と バカンスらしいシーンそのものです。さてさて、メニューは。。。 4皿コースが今日の特別メニューとして配られたのだが、ほんと魅力的な メニューで、これにしたーい、と思う。。。が。通常2皿食べてもお腹いっぱいに なってしまうこの私が4皿も食べたらどうなってしまうのか??? ぐぐぐ…とうなって、やっぱりアラカルトから選ぶことにした。オランダの 一皿って信じられないくらいに大きかったりするんだよー。要注意ね。 結局、前菜にはうなぎとポテトのテリーヌ、そしてメインにはタラのサフラン ソース(名前ちゃんと覚えてない〜。でも、そんなやつ。いいかげん。)にした。 やっぱ海の町(もう海じゃないんだけど、ってしつこい?)だから魚、よね。 だんなは牛肉のカルパッチョとカモを選んでたけどね。全然魚じゃないやん。

メインのタラ


とにかく天気も良く、バカンスムード満点で、料理を待つ時間も楽し、と 思いきや、かなりの速さで料理が出てきた。フランス料理店は大抵 遅いのになー。すごいじゃん!きちんと仕込みされていて、ぱぱぱんと出てくる 仕組みなんだろうか?厨房を見たわけではないので分からないけど。そういえば この古い由緒ある建物で火を使えるんだろうか?書いてて急に疑問が沸いて来た。 さて、待望のうなぎ。うなぎのテリーヌは初めて食べたけれど、なかなか美味。 ソースやポテトとも意外だけれど、良く合っていて美味しく食べれたよ。 メインのタラはさすがオランダで2切れぼぼん、と盛られてきたなー。 場所によっちゃ3切れ出てくるところもあるから、ほんと要注意なのダ。 ソース、周りの新鮮な野菜とともにこれまた美味しくいただきました。 デザート、も食べたいのは山々だったけれど、メインを食べ終わった時点で もう無理っす〜、とギブアップ。コーヒーを飲むのも内心一苦労、って 感じだったけれど、まあもうちょっとこの優雅な時間を楽しみましょ♪と いうことで、エイヤ!と飲みました。ああ、大満足の食事。 その他飲み物もいれて、これで二人で85ユーロくらい。まあまあってところ?

オランダのフランス料理はもちろん高いのからそれなりに、まで様々ですが、 日本と違って飲み物がやはり安いわね。コーヒー、ワイン、ジュース。。。 こういうものが日本ではやたら高いので、全体的に金額はUPしてしまうものね。 オランダで意外に安くないのが、デザートかな。下手すると前菜と同じくらいの 値段になってしまう。。。って、日本でも高級フレンチなんか行くと同じ? よく考えたら、日本では自分のお金で高級フレンチなんて行った事なかった から、分からん〜!!

玄関前の庭もステキ


レストランを出ても外はまだまだ明るく、ヨットハーバーを眺めながら、 重たいお腹を抱えてぷらぷらホテルまで帰りました。こんないいお天気なのに 町は静まりかえっている。。。と思いきや、今日はサッカーのフレンドリー ゲーム、ベルギーVSオランダの試合だったのでした。私もホテルに着いてから 見るぞー!!と思いきや、ベッドに横になってTVをつけて10分もしないうちに 爆睡。おいおい〜。まあ、結果は0−1でオランダの負けだったので、 良しとしますか。。。ってそういう問題ではない〜!!





Day 2

さて、エンクハウゼン物語はようやく2日目です。今日の天気予報はあまりよくなく、雨の可能性もある、とのことだった。 天気が悪いと外を歩き回るのもイマイチだし。。。でも、今のところは天気も 大丈夫そうだし。。。そんな感じに迷っていて、朝の時点で予定は未定だった。 さて、朝食は本宅のテラスで。ほーんとステキなテラスで、朝からギターの 音色なんか聞いちゃってすっかり優雅な気分になってしまった。ここのオーナーは ギターのプロらしく、ここでギターレッスンを開いたり、学校で教えたり、コンサートを開いたりしているらしい。あー、優雅な生活。 でも、実際は家の支払いなど色々大変だって、オーナーは言っていたんだけどね。。。

お腹もいっぱいになり、とりあえず駅前のVVV(観光局)に向かう。今日は 日曜日だけど、ここは観光地ってなわけで観光局もちゃんとOPENしていた。 私が「やっぱりクルーズ!」と昨日から騒いでいたので、この地方のメイン 観光コース「蒸気機関車&クルーズ」に参加することにした。これは、、、 エンクハウゼンーメデムブリック間をクルーズ、メデムブリックーホールン間を 蒸気機関車で移動する、というものだ。蒸気機関車に乗ることなんて、 めったにないし、クルーズもできるし。。。!

乗船する船はこれ


私達は、エンクハウゼン→メデムブリック→ホールン、そしてホールン→ エンクハウゼン(普通の電車)という周り方を選んだのだが、どうやら多くの 観光客は逆周りをするらしい。というわけで、結構大きな船に乗り込んだ<のだが、 かなり空いていた。おかげでどこにも自由に座れて、自分の船に乗った気分だった。 出航してからしばらくは多くのヨットとすれ違った。みんな、エンクハウゼンから 出航してるんだろう。いいなー、ヨットに乗って優雅な週末。すれ違うヨットを 見るたびにそんなことを思った。ヨットといって思い出すのはケビンコスナー の映画「Message in a bottle」でしょうか。話自体は女性が喜びそうな 王子様が描かれていて「ケ、こんな男、世の中にいるか。でも、いたらいいわぁ〜★。」 的な感想で終わるのだが、ヨットのシーン、そして町のシーンは良かった。 いいところだなあ、行ってみたいなあ。。。と。考えてみると、このエンクハウゼンも そんな雰囲気の漂う町。だから私は気に入ったんだわ。きっと。

途中ヨットとすれ違う


しばらくすると、すれ違うヨットもそれほど多くなくなり、静かな乗船だった。 天気も少しずつ雲がモクモクしてきて、うーむ。。。やっぱり天気予報は当たるのか? てな具合。しかし、静かな時間もつかの間、メデムブリックが近づくとまたまた たくさんのヨットが。。。こちらでは、ウィンドサーフィンも盛んなようで、 たくさんのサーフィンが見えた。エンクハウゼンよりかなり小さい規模の港に 入っていく。途中、とんがり屋根を持つ小さなお城も見えた。たくさんの人が 港の辺りを散策していて、入ってきた私達の大きな船を眺めているようである。 どうやらここもいいところらしい。。。そう思ったのだが、船を下りてから、 蒸気機関車に乗りこむ時間がほとんどなかったため、素通りするしかなかった。 残念である。ま、また次回にでも(いつじゃ?)。(※次の蒸気機関車を選べば、 4時間くらいここで過ごすことができる。ただし、船と蒸気機関車が1日2回運行 されるのは夏季と5月から9月までの週末のみ。)

さて。今年はオランダで蒸気機関車が誕生して125周年になります。125年前というと 1879年。日本では幕末維新時期に登場した、ってわけですね。当時は、各地で 使用された蒸気機関車。時代の変化とともに、次第に使用されなくなり、1966年 をもって完全に姿を消します。現在、このホールンーメデムブリック間で運行 されているミニSLは博物館が所蔵している観光用で(4月から10月のみ)、 各地で使われなくなった機関車を集め、ホールンの駅横にある博物館で管理&修繕、 そして運行されているのです。

メデムブリック到着〜


観光用、とはいっても本物のSL。町ではとても人気者らしく、 私達がSL出発駅に着いた時は大変な人ごみでした。実際に乗車する人も そうでない人も、大人も子供も、皆、興奮気味に機関車トーマスのお友達 みたいな彼の様子を見入ってます。車掌さんもどこか誇らしげ。 私達は一番前の車両に乗り込み、中から混んだ外を誇らしげに眺めました。 さあ、出発。私達は外の人たちに手を振り、外にいる人たちは私達に手を振り、 本当に楽しいワンシーンのよう。電車が好きな甥っ子がここにいたら、 きっと大興奮だろうになー、オランダに来ないかな、なーんて思いつつ、 外を眺めていました。ゆっくり進むSLはこの沿線でもとても人気らしく、 道を歩いている人がカメラを出してきて、パチリ。車に乗っている人がカメラ を出してきてパチリ。なーんでみんなカメラ持参なのー?と不思議になるくらい、 みんなカメラを持ってました(笑)。どったんどったんと進む蒸気機関車 からのどかな風景を眺めていると、本当にやさしい気持ちになる、というか、 暖かい気持ちでいっぱいになりました。私達の生活は便利&早くなったけど、 こういうものを捨ててきてしまったんだなー、なんてしみじみ思ったりもして。

人気者のSLくん


途中、TWISK村で5分ほど停車。昔の駅を眺めたり、写真を撮ったりして、 再び出発進行。ここからは結構本気で大疾走!(?)。途中オーダーした コーヒーカップからコーヒーがこぼれるんではないかと思うくらい、どったん どったんと進みました。ミニSL君、がんばっとるで〜。 進むにつれてまったくの田舎村から家並みが続くようになり、ホールンに到着。 私達の大旅行(?)は終了したのでした。乗車中からモクモク雲が増え始め、 ついに雨が降り始めました。ホールンで降りると、結構寒い。。。! しかも傘、ホテルに忘れた〜!!ふえーん、という気分でホールン駅横にある SL倉庫を見て周り、SLの上に乗ったりして楽しんだ。ほんと、楽しかった。 せっかくだから、とホールンの町中までいくことにしたが、雨のせいか、 人通りはなく、なんだか静まりかえっている。寒い!白けている〜!なんなんだー。 ここは!さっきまでの楽しい気分はすっかりしぼみ、私はなんだか悲しい気分に なっていたのだった。。。

雨が降る中、ホールンの旧市街へと向かう。途中、日曜日だというのに OPENしていて、やたら混んでいるアイスクリーム屋を見たが、なんでこの寒い中、 アイスクリームを食べる元気なんかあるんよー?とやけくそになっていた。 古いVOC時代の栄光が残るマルクトにつくと、ようやく人が行き来しているのが 見えた。人だ、人だー。さて、このホールンのマルクトは、小さいながら趣&歴史が あるステキなマルクト。天気が良ければ、ぜひ真ん中に立って17世紀の気分を 味わってみたいもの。このマルクトに面する建物でひときわ目立つのが、 西フリースランド博物館。ゴールド、そして派手に飾られたゲーブル(飾り屋根) は、実際に見ると圧巻である。

しかし、寒い。なんせ、寒い。時間を見ると3時くらい。こんな天気だし、博物館に 入るのが賢明?と私達は博物館に入ることにした。ここもミュージーアムカード で、入場料は無料。部屋の前に数字が書いてあって、その数字順に回ればよい。 いろんな説明があるのだが、残念ながらオランダ語のみ。しかも、つらつら長い 説明書きが。。。読もうという気にもならん!(すみません、勉強不足で)。 内容は、石器時代(?)から20世紀までにおける(主な時代は17世紀から19世紀) この辺りに住む人々の生活や歴史、ていうところでしょうか。古くはミイラから、 新しくは20世紀初期のおもちゃやお店、までバラエティーに飛んでました。 古い建物を使用した博物館なので、皆が歩くときしきしと音がしたり、床が 傾いていたり、古い家ってこんなんなんだー、実際には住むの大変だなあ、 なんてことを考えながらカタカタ歩き回っていました。

豪華な広場


5時前に美術館を出て、少し旧市街を回りながら帰ることにしました。が、なんせ この寒さ。しかもさっきより寒くなってるーーー???薄着だった私は、寒さに 震えながら、「なんでこんな寒いんだ!」といらいら〜、半分だんなに 理由もなく八つ当たりしながら、ホールンの駅に向かいました。すると、 来るとき見かけたアイスクリーム屋が。。。見ると、「Algemeen Dagblad (オランダの日刊紙)で9.5をいただいた店!」なーんて旗が掲げられている ではありませんか。なにーーー???そうかぁ、それでこんなに混んでいたんだ! 中に入ると壁に掲載記事が飾られている。それによるとオランダ全国で、ここは アイスクリーム店2位にランクインされている、とのこと。うーん、2位。2位。 ここまで読んでしまって頼まないわけにはいきません!どうやら豊富な種類の アイスクリームが置いてあるようで、だんなと「食べようか?」という話を する前から「これかあれかこれか?」と選択に入ってしまいました(笑)。 この日食べたのは、ホワイトチョコと名前は忘れちゃったけど、やっぱ チョコレートに近いような甘い系(スネッカーだったかな?)の2カップ。 本当は純粋チョコが食べたかったけど、ちょうど売り切れちゃっていた、、、 残念、無念。すっかり寒いことを忘れてアイスクリームにかじりつく私。 美味しい。やっぱ、第二位のお店!(?)。いろいろ種類があるから、 もっと食べたいわ。あ、ちなみに1位はリンブルグ州にあるお店(町の名前、 忘れちゃいました。ごめんなさいー)。そして、第3位は、ムフフ。ロッテルダム のお店なの〜!あそこもいっつも混んでいるんだよね。まだ食べたことないから いつか近いうちに挑戦したいわ。あ、あそこ、とは。。。このHPのレストラン情報 で紹介しているDe Bruin (デ・ブルイン)カフェのお隣のお店だよ!

さあ、アイスクリームを食べて、大満足じゃ。駅まで、進行!と外にでると 、、、やっぱり寒かった〜(笑)。 NS電車にてまたエンクハウゼンに戻る私達。 今日の夕飯は特にどこかに予約はしていなかったのだが、まあ、どっかで 食べれるだろう、なんてのんきに構えていた。ところが〜。結構どこも混んで いるらしく、私がもくろんでいたレストランでは断られてしまった。。。 やっぱり、レストランは可能な限り予約しておくに限る。観光シーズン、 週末などはやっぱり混んでいないようで混んでいるのよ!!

ヨットハーバー沿いでは結局見つけることはできず、ショッピングロード沿い にあったレストラン「van Bleiswijk」で、なんとかバー席を獲得することが でき、ご飯にありつけた。。。(ほっ)。今日食べたのも魚&魚。さっきの アイスクリームがお腹にたまっていたので、前菜はフィッシュスープにした のだが、実際にはものすごい大きいスープが現れた!!大皿にどん!と 盛られているのだ。これ、日本だったら軽く3人前はあるんではないだろうか。 そんなわけでメイン前にはすでにお腹きゅーきゅーって感じになってしまった。 メインは今日もタラ。タラとリゾットのちょっとイタリアン風の組み合わせ。

苦しいながらもなんとかメイン終了。このときは、ほんとに、食べ物はしばらく 見たくないかも…てなくらい、お腹がはちきれそうだったワ。当然、デザート は食べられず。うううー。私、いつになったらオランダでデザートが食べられる ようになるんだろ。。。私に合わせていつもデザートが食べられないだんなの ために、いっつも頑張って食べるんだけどなあ。 昨晩よりさらに重いお腹をかかえてホテルへ向かう。まだまだ寒い。そして、 お腹もいっぱい。。。あ、このお店もステキな古い建物を利用したレストランで 内装もなかなかシック。昨日よりはカジュアルだけど、雰囲気は良かったですよ。





Day 3

翌日も朝9時の朝食から。だんなは本当にこのホテルが気に入ったみたいで、 しきりに良かった、良かった、という。最後にオーナーの奥様とおしゃべり してお別れ。将来お金に余裕ができたらB&Bもいいかも、、、と思っている 私達にとって、なかなか興味深いお話であった。オーナーはもともと編集の 仕事をしていたらしく、ジャーナリストのだんなとは話も良く合ったようだ。

さて、今日は「ゾイデル屋内博物館」とホールンを再び訪れることにしました。 「ゾイデル屋内博物館」- ここは1日目に訪れた「ゾイデル屋外博物館」の姉妹版。いや、入場券は一緒になっているのだから、 同じ博物館、というべきかな。屋内というだけあって、建物内の博物館です。 建物自体古く、外から見るといったい中はどんなん?って感じですが、中は完全に 改築されていて、綺麗な美術館です。内容はこの辺りの歴史、ですね。やっぱり。 ダムができる前とできた後ではどんな風に変わったか。ダムはどんな理由で作られたか。 ダムの工事はどんなもんだったのか?昔、定期的に襲ったという洪水の様子。。。 昔の漁師の生活とは。。。?などなど、いろんなテーマがありました。 中に同じ事件をテーマにした絵が何枚か飾られているのですが、絵によってイメージが 全然違うので面白かったです。事件とは…冬の嵐の中、親子3人が漂流した事件。 ちょっとした沖合いで漂流したのですが、浜は見えているのに誰も彼らのことを 気づかず救助が遅れます。結局子供一人が生き残るのですが、そのときの話が 絵で残され、語り継がれていったようです。 個人的に興味があったのは、やはりV.O.C.の歴史。当時、どんなに活況していたか、 当時取引されていたもの、倉庫内の様子などを再現してイメージを伝えています。 こうやって日本からも荷物が届いたのかなー、と思うと、鳥肌が立つくらい興奮した(笑)。

さて、博物館を後にし、楽しかったエンクハウゼンとはお別れです。うううう…。 なかなかいい町であった。また戻ってきたーいーーー。

ホールンのヨットハーバー


電車に乗って、昨日ちょこっと訪れた町、ホールンへ。昨日のイメージはよく なかったので何も戻らんでも…という気も少々したのだが、だんなが「でも、みんな 見たわけじゃないし!」と説得するので、そうかあ、それじゃあ、、、としぶしぶ。 天気予報はイマイチの予報だったが、雨は降っておらず昨日よりはいいお天気。 そのせいか町を歩く人もちらほらいて、昨日より人の気配がしてよろしい。 結局、昨日のアイスクリームショップでまたもや寄り道。今日はバナナとマンゴー の組み合わせにした。バナナ、美味しい〜★。歩きながら、アイスを食べる。 昨日は訪れなかったV.O.C.の建物などを見て回った。気温も上がってきたせいか、 すこぶる調子も良く、「お、なかなかいいではないか〜」と喜ぶ私(ゲンキンな)。 ここも古きと新しきが混ざり合う町。こういうミックスが楽しい。

昨日も訪れたマルクト広場を通って、ハーバーのほうまで歩いた。すると。なーんと。 ここはかなり活気のある地域であった。たくさんの人であふれ、カフェもいっぱいである。 ハーバー沿いには古い魅力的な家々が立ち並び、これまたエンクハウゼンとは違って 17世紀の港。。。?と思わせる雰囲気である。残念なのは、港に立つ塔が 大工事中だったこと。この改修工事が終われば、さらに美しいワンシーンとなるで あろう。。。!ま、それでもとりあえず写真は撮り(笑)、カフェで一服。 なんだか天気もすごく良くなってきた。。。?!

その後、再び歩き始め、ホールンのイメージは一新された。やっぱ、天気の良いときに 観光するのとそうでないのとでは、大違いである!!それがよおく分かった2日間だった。 ホールンから電車に乗ってハーレムへ。お気に入りのインドネシアレストランで夕飯を 食べて帰ろう、と思ったのである。ところが、なんと不運なことに。。。休みなのか まだOPENしてないのか、なんだかで中は暗かった。。。ガーン。お店も月曜日の せいかやってないところが多く、結局空いていた(しかもがら空きの)アルゼンチン レストランでご飯を食べた。うーむ、イマイチ。。。どうやらハーレムは、 観光化の波に乗っていないのかクローズしたお店が多いようで、あちこち閉鎖して いるのが目に付いた。このアルゼンチンレストランも・・・いつか閉鎖かもしれない。 余計なお世話かもしれないけど、もうちょっと努力しなくっちゃね! 最後はちょっとイマイチの終わり方であったが、それでもそれでも楽しい3日間でした。





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